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ネットで見つけた言葉とか画像とか動画とかスクラップしてくよ
375. 374. 373. 372. 371. 370. 369. 368. 367. 366. 365.
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つまり、ここで夏希にアカウントを差し出した人々は、自分で事件を解決しようと努力するのではなく、夏希にすべての責任を押し付けて自分は傍観者の位置に回っただけだ、という見方もできる、ということ。

 映画では人々の意思を託された夏希がみごと逆転勝利を遂げるわけだが、もし、ここで彼女が敗北していたらどうなったか?

 おそらく、彼女は世界中の人々から糾弾されることになっただろう。本来、アカウントを託した時点で夏希にじぶんの権利を委任しているわけで、彼女には責められるいわれはない。

 しかし、それでもなお、「傑出した個人」を責めることによって自己満足に耽るのが大衆である。おそらく、そういうことになっただろう。

 『サマーウォーズ』のなかでそういう大衆の負の側面を感じさせるのは、カズマ少年が操るキャラクター、「キング・カズマ」にかかわる描写だ。

 キング・カズマがラブマシーンに敗北すると、有象無象の群集はかれに向け罵詈雑言を浴びせかける。ある日の英雄が別の日には敗残者として軽侮される、そのネットの現実をよく表現した場面だと思う。

 そして、いざ、ラブマシーンがOZを崩壊させようとするそのときになると、かれらはキング・カズマの名を呼ぶのだ。大衆の底知れない身勝手さが垣間見える。

 しかし、『サマーウォーズ』は、そういった描写を挟みながらも、さいごにはネットと人間関係の賛歌を高らかに謳い上げる。

 ネットには、いや、すべての人間関係には、正の側面と負の側面がある。『サマーウォーズ』はこの負の側面を極力見えないように演出している映画だといえるだろう。


Something Orange
『サマーウォーズ』と『東のエデン』はコインの裏表なのかもしれない。
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20090811/p2
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